盛岡市外山森林公園

お知らせ

2024年5月8日

イベント

お知らせ

令和6年度最初のイベント「木を食べる ~春限定~ 樹液の恵みを味わおう」が開催されました(報告)

4月14日、初イベント「木を食べる ~春限定~ 樹液の恵みを味わおう」が開催されました。

奇抜なタイトルが目を引いたのか、定員15名に対し30名の応募がありました。
嬉しい悲鳴です。なんとか座席が確保できると判断し、準備を進めました。

冬、雪が降り積もる山の中で、木々は春に向けての準備を始めています。
カエデ類は2月から3月が公園での樹液採取のシーズンとなります。
幹に穴を開け、チューブを差し込んでいると、少しづつ樹液がタンクに溜まります。
そうして集めた樹液を煮詰めたものがメープルシロップとなるのですが、
完成するのに1/40~1/50になるまで煮詰めなければなりません。
10ℓのカエデの樹液から出来上がるメープルシロップはわずか200mℓ
薪ストーブの上に鍋をかけて一週間程度かかります。
それくらい貴重なものなのです。

イタヤカエデ 採取量が多い日でした








左はまもなくメープルシロップ完成 右はまだまだこれから







今回のイベントは、この手間と時間がかかるメープルシロップの制作過程を
3分クッキングのように切り取り、最後の仕上げの煮詰めを観察してもらうこと、
カエデ類と入れ替わって4月が採取時期の白樺樹液の採取現場へ行き、その場で試飲してもらうこと、
白樺樹液を利用した軽食を楽しんでもらおうというものでした。

また、樹液についての興味深いお話を分野の異なる2名の講師の方をお迎えして、
セミナーも開催しました。盛りだくさんのイベントです。




岩手大学農学部森林科学科
松木 佐和子 氏による
「身近な樹木から採れる樹液の不思議とその魅力」







株式会社浅沼醤油店 
代表取締役 浅沼 宏一 氏による
「県産木質資源から調味料を作る」







セミナーの合間に白樺樹液の採取現場に行きました。
この日のあたりは大量に樹液が出ており、一日で10ℓ以上出ている状態でした。

参加者の皆さんに実際採れたての白樺樹液を飲んで頂きました。
白樺はアイヌやエスキモーなどの北方民族にとっては、とても利用価値のある樹木で、
樹液も健康飲料として飲まれていたようです。








どんな味がするのかな









採れたての白樺樹液です





また、冷凍保存しておいたカエデ樹液の飲み比べもしました。原液と1/2に煮詰めたものと、
当日メープルシロップにするための最後の煮詰めに用いた1/5にまで煮詰めたものです。
色や味の濃さや違いを感じてもらいました。



見た目の違いがわかりますか









そのほかに、浅沼醤油店さんが販売している「木の雫シリーズ」より、アカマツジンジャーシロップ、イタヤカエデのコーラ、イタヤカエデのシロップの試飲や、県産樹木から採り出したエキスを特別に見せてもらったりしました。
公園からは、カエデ樹液の採取時期や種類で異なるメープルシロップ試食と、当日ストーブで煮詰めたメープシロップ試食の提供、また白樺樹液を用いた軽食を最後に提供しました。








奥のテーブル
左奥) 浅沼醤油店さんが持ってきてくれた様々な樹木のエキス
右奥) 様々な時期と種類のメープルシロップやシラカバのシロップなど
手前) お土産で配ったウリハダカエデのメープルシロップ

手前のテーブル
当日煮詰めて完成させたウリハダカエデのメープルシロップ







白樺樹液を用いた軽食 
コンソメスープはグルタミン酸が豊富でまろやかな甘味を感じます
浅沼醤油店さんのイタヤカエデのプリン(クラビヨリ・通販限定)も絶品でした




様々なメープルシロップ、樹液を試食






アンケートから、多く寄せられたのは「樹液を口にするのは初めての体験でしたが、飲みやすく美味しかった」「セミナーの内容が興味深くためになった」「樹液の食べ比べができて楽しかった」という声で、主催側としては、2か月にわたる準備期間の大変さも報われるようでした。









外山森林公園の売店では、浅沼醤油店さんの “木の雫シリーズ” 、「アカマツジンジャーシロップ」と
「イタヤカエデのコーラ」を販売しております。


お越しの際は、是非お土産にどうぞ