盛岡広域森林組合

2023年11月21日

令和五年度高性能林業機械システム研修

岩手県林業労働対策基金様の事業により茨城県へと見学に参加しました。
重機展示ではお馴染みのある企業ブースから見学。新型のグラップルバケットが
公開されていたり、当組合と同じハーベスタ装備した車両でも360度旋回しても
動力油圧パイプが絡まない旋回仕様にしてあったりと進歩・改良が感じられます。

また1台のバックホーに乗りながらもう一台の無人ハーベスタを操作し伐倒したり、                    コンテナ苗木の植栽機械など意欲的な発明の展示機会も見ることができました。
機械そのものだけでなく周辺機器にも便利な機能が開発されており、オペレーターが                  降りることなく作業機械を付け替えることができる接合部(カプラ)も開発されていました。
作業員にかかる手間を省略できるほか、グラップルで無理な掘削をせずに済む
など資材にも優しい仕様になっていると言えます。
先端付け替え機械には伐採跡地の枝条や伐根を破砕する機構も準備されていました。
大型のチッパーを展示するメーカーも多く、今後の機械地拵には「破砕」がキーワードになっていきそうです。
仮に「破砕地拵」を行うと機械による下刈りがセットになっていくのが流れようでしたが、乗用の
下刈り機にラジコン操作(操縦者は山には同行するが、操縦者は日陰にいられる)や
無人遠隔操作(苗位置をGPSで学習し、その間隔を刈払い走行)といった要素が
一気に付け足され、普及を前に新技術が渋滞気味なようです。
岩手県内で導入した日本に一台ずつしかない北欧製・超大型8輪駆動式の
ハーベスタとフォワーダも展示され、恐竜的な進化を感じます。お値段1億2000万円。
間伐する木と残存させる木を機体の360°カメラが撮影し、森林の樹木の配置をAIで
判定し伐採・残存の判断をアシストする機能がついているとの事です。

多機能化してもすべての機能が100%活きるかは難しい点ですが、無駄のないところを
可能な限り使用して現場の効率・省力化、安全性の向上につなげることが大切です。
当面の保有作業機械と作業人員を見ながら更新しつつ、新規投入については
普及し成熟した感のあるグラップルバケット機をニーズの順に各事業所に配置すること
を当面の目的とするのがよろしいかと思います。